Audio / zoom-h1-xlr-review
zengadget.jp
Audio 2026.07.08 Read 8 min

Zoom H1 XLR レビュー。音さえ録れればいいと思ったら、インターフェースまで付いてきた

※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます

今日のテーマはZoom H1 XLRです。

初めてポッドキャストの収録をした日、机の上に置いたのは、ノートパソコンとマイクスタンドと、手のひらに乗るくらいの黒い箱だけだった。高価な機材は何も揃えなかった。声さえちゃんと録れれば、それでよかったからだ。

僕がZoom H1 XLRを選んだ理由は単純だ。音さえ録れればいい、そのうえでコスパがいい。それだけだった。配信機材を凝りたいという気持ちは正直あまりなくて、収録が続けられる状態を最短距離で作りたかった。

Zoom H1 XLRは17,000円台のハンディレコーダーで、ポッドキャスト収録とオーディオインターフェースを1台で兼ねる。マイクとインターフェースを別々に買うより、荷物も出費も減る。

割り切って買ったつもりだったのに、使ってみたら想定外の収穫があった。Zoom H1 XLRはUSB Type-Cでパソコンに繋ぐだけで、そのままオーディオインターフェースとしても動く。ハンディレコーダーとして単体で録音できるうえに、パソコンやスマホに音声を送る入り口にもなる。1台で完結すると思って買ったら、実際はもう1台分の仕事までしてくれていた。得した気分になった。

ここは正直に書いておきたい。質感には妥協した部分がある。本体はプラスチックの筐体で、手に持った第一印象は「ちょっとおもちゃっぽいな」だった。値段なりと言えばそれまでだけど、そこは正直な感想として残しておく。プラ筐体のせいか、パソコンのすぐそばに置くとUSBのノイズを拾いやすいという購入者の声もある。気になるなら、本体をパソコンから少し離して置くといい。この一手間で、音の印象はだいぶ変わる。

Zen Gadgetでいつも書いている「買う前に、手放すときを考える」という話も、この機材はちゃんと満たしている。17,000円前後の価格帯で、中古市場でも一定の需要があるカテゴリの製品だ。使わなくなったら手放せる、という安心感があるだけで、買う判断のハードルはぐっと下がる。この点は後半のよくある質問でもう少し詳しく書く。

Zoom H1 XLRとは

Zoom H1 XLRは、2024年8月22日にZOOMが発売したハンディレコーダーだ。オープン価格(発売時の市場予想価格17,900円前後)で登場し、2026年7月時点の実売価格は17,000円前後で推移している。米国では149.99ドルで販売されている。

主なスペックは以下の通り。

項目内容
発売日2024年8月22日
価格オープン価格(2026年7月時点の実売17,000円前後)
録音方式32-bit float固定・44.1/48/96kHz
トラック数2入力2トラック
入力端子XLR/TRSコンボ×2(ロック式)・+48Vファンタム電源対応
内蔵マイク非搭載(外部入力専用機)
接続USB Type-C(Win/Mac/iOS/Android対応)
重量164g(電池込)
サイズ62.1×39.3×107mm(幅×高さ×奥行)
電源単3電池2本(約12時間)・USBバスパワー駆動対応
記録メディアmicroSDHC(4-32GB)/microSDXC(64GB-1TB)
ヘッドホン出力3.5mm 20mW+20mW(32Ω)

内蔵マイクを持たない、外部入力専用機というのが最大の特徴だ。XLRマイクやTRSケーブルを挿して初めて録音できる。逆に言えば、マイクを自由に選べるということでもある。

Zoom H1 XLRはオーディオインターフェースとしても使えるのか

使える。ここが、この機材を選んでよかったと思う一番の理由だ。

Zoom H1 XLRは、USB Type-Cでパソコンやスマホに繋ぐと、2in/2out・16/32bit floatのオーディオインターフェースとして動作する。マイクをXLRで挿し、パソコンとUSBケーブルで繋ぐ。それだけで、Zoomやリモート収録アプリにクリアな音声を送れる。

さらに便利なのが、SDカードへの録音とパソコンへの出力を同時に実行できる点だ。配信用の音とバックアップ用の音を、同時に別々の場所へ残せる。収録中に何かトラブルがあっても、SDカードに録音した32-bit floatの音源が保険になる。

ループバック機能も搭載していて、パソコンの再生音とマイクの入力をミックスして配信できる。ゲストの声をパソコン経由で聞きながら、自分の声と一緒に配信音声として送り出す、といった使い方ができる。単体のオーディオインターフェースを別に買うつもりだったのに、その必要がなくなった。これが「得した気分」の正体だ。

Zoom H1nやH1 Essentialとの違いは何か

Zoomのハンディレコーダーには、H1n、H1 Essentialという兄弟機がある。見た目も価格帯も近いので、迷う人は多いはずだ。

項目H1 XLRH1nH1 Essential
内蔵マイク非搭載搭載搭載
XLR/TRS入力あり(2系統・ロック式)なしなし
+48Vファンタム電源ありなしなし
録音ビット32-bit float固定16/24bit(32-bit float非対応)32-bit float固定(内蔵マイクのみ)
主な用途外部マイクでの本格収録単体での環境音・会議録音手軽な単体録音

一番の違いは、XLR/TRS入力と+48Vファンタム電源を持っているのはH1 XLRだけという点だ。H1nとH1 Essentialは内蔵マイクで完結する機種で、XLRマイクを接続できない。H1nは32-bit float録音にも対応していない。

ポッドキャストで外部のコンデンサーマイクやダイナミックマイクを使いたいなら、選択肢はH1 XLR一択になる。内蔵マイクだけで手軽に録音したいなら、H1nやH1 Essentialの方が荷物は減る。用途がはっきり分かれている兄弟機だ。

32bitフロート録音とは何か、なぜ音割れしにくいのか

Zoom H1 XLRは、ユーザーが設定を変えても、常に32-bit floatで録音する。ここは固定で、16bitや24bitに切り替えることはできない。

32-bit float録音の利点は、収録中に急に大きな声が出たり、逆に声が小さくなったりしても、音が割れて記録されにくいことにある。従来のレコーダーは、収録前に入力レベルを慎重に決めておく必要があった。大きすぎれば音割れし、小さすぎればノイズに埋もれる。32-bit floatは、その調整のシビアさを大きく減らしてくれる。

収録後に音量を上げ下げしても、音質の劣化が少ないというのも実務上の利点だ。ゲストが多い収録では、声の大きさが人によって全然違う。マイクの前で毎回ゲインを調整する余裕がない場面でも、32-bit floatなら後から編集で吸収しやすい。ポッドキャストのように、収録現場で完璧な設定を追い込む時間が取れない用途と、この機能はかなり相性がいい。

ポッドキャストのマイクはどう選べばいいか

Zoom H1 XLRは、マイクを内蔵していない。だからこそ、番組の形に合わせてマイクを選べる。

一人で話す形式のポッドキャストなら、XLR接続のダイナミックマイクを1本、H1 XLRに挿すだけで収録が完結する。声だけを拾いたい環境なら、ダイナミックマイクの方が周囲の生活音を拾いにくく、扱いやすい。

二人以上で収録する形式なら、H1 XLRの2入力を使い切る形になる。XLR入力を2系統持っているので、マイクを2本挿せば、2人分の声を別トラックで同時に録音できる。3人以上になると入力が足りなくなるので、参加人数が多い番組は外部ミキサーの導入も視野に入る。

マイクの本数と入力数が噛み合っているかどうかは、収録を始める前に必ず確認しておきたいポイントだ。

ここまで書いてきて思うのは、Zoom H1 XLRは「安いから我慢して使う機材」ではなく、「安いのに、ちゃんと仕事をしてくれる機材」だということだ。プラスチックの質感には妥協したけれど、録音品質やオーディオインターフェースとしての機能に妥協はなかった。Zoomは本当に、安くていい物を提供してくれるメーカーだと思う。

音さえ録れればいいと割り切りたい人は Zoom H1 XLRをAmazonで見る

よくある質問

Zoom H1 XLRは中古で売れますか

売れる。Zoom H1 XLRはハンディレコーダーとオーディオインターフェースを兼ねる需要の広さから、中古市場での取引実績があるカテゴリの製品だ。Zen Gadgetでは、買う前に手放すときを考えることを大事にしている。使わなくなったときにフリマアプリや買取店で値段がつく見込みがある道具は、買う判断のハードルが下がる。付属品や外箱を保管しておくと、査定額はより安定しやすい。

オーディオインターフェースとして使えますか

使える。USB Type-Cでパソコンやスマホに繋ぐと、2in/2out・16/32bit floatのオーディオインターフェースとして動作する。SDカードへの録音とパソコンへの出力を同時に行えるほか、パソコンの再生音とマイク入力をミックスして配信できるループバック機能も備えている。

H1nとの違いは何ですか

最大の違いは、XLR/TRS入力と+48Vファンタム電源の有無だ。H1 XLRはこの2つを備え、外部のXLRマイクを接続できる。H1nは内蔵マイクのみの機種で、XLR接続はできず、32-bit float録音にも対応していない。外部マイクを使ったポッドキャスト収録なら、H1 XLRを選ぶ理由がはっきりしている。

複数人録音でマイクは何本必要ですか

XLR/TRSコンボ入力が2系統あるので、マイクは最大2本まで別トラックで同時に録音できる。3人以上が同時に話す収録では入力が足りなくなるため、外部ミキサーの導入を検討する必要がある。

電池はどれくらい持ちますか

単3電池2本で、公式では約12時間の駆動が想定されている。ただしコンデンサーマイクで+48Vファンタム電源を使うと、駆動時間はこれより短くなる。長時間の収録では、予備の電池を用意するか、USBバスパワーやモバイルバッテリーでの給電にしておくと安心だ。電源のあるスタジオ収録なら、バッテリー切れを気にしなくていい。

価格・仕様は2026年7月時点のZOOM公式情報に基づく。実売価格は変動する。