DJI Osmo Pocket 4、Mic 3が効く人だけ買えばいい。
DJIがOsmo Pocket 4を本日発表した。
1インチセンサー据え置き、4K/240fps対応、14ストップダイナミックレンジ。内蔵107GB+microSD最大1TBのハイブリッドストレージ。1000ニトの回転式OLED。ActiveTrack 7.0。OsmoAudio 4チャンネル。
スペックを並べると「全部入り」に見える。¥79,200からという価格も、1インチジンバルカメラとしては妥当だ。
ただし——全員が買う道具ではない。
公式スペック(DJI公式確認済み)
| 項目 | Pocket 3 | Pocket 4 |
|---|---|---|
| センサー | 1インチ CMOS | 1インチ CMOS(据え置き) |
| レンズ | 20mm / f/2.0 | 20mm / f/2.0(据え置き) |
| 動画最大 | 4K/120fps | 4K/240fps |
| ダイナミックレンジ | — | 14ストップ |
| ズーム | — | 2倍ロスレス |
| ストレージ | microSD | 内蔵107GB+microSD最大1TB |
| バッテリー | 1,300mAh/166分 | 1,545mAh/240分 |
| ディスプレイ | — | 2インチ 1000ニト OLED |
| AI追従 | v6.0 | ActiveTrack 7.0 |
| 音声 | — | OsmoAudio 4チャンネル |
| 重量 | 179g | 190.5g |
(出典: DJI公式スペックページ、2026年4月16日時点)
価格は スタンダード ¥79,200 / Creator Combo ¥99,880。
センサーは据え置き、という事実
最初に押さえておくべきことがある。
センサーは1インチのまま。画質のベースは変わらない。 Pocket 3で撮った4K映像とPocket 4で撮った4K映像を、YouTubeにアップしてから見分けられる人間はいない。
これは「画質で買い替える」という動機を消す事実だ。
では何が変わったか。撮れるものの幅が変わった。4K/240fps、14ストップのダイナミックレンジ、2倍ロスレスズーム、1000ニトの屋外視認性、4チャンネル音声。
スペックの進化は「画質を上げる」のではなく、「撮影の自由度を広げる」方向にある。
自由度を使う人間にとっては価値がある。使わない人間にとっては¥79,200を払う理由がない。
問いは「新しいか」ではなく「自分が使うか」だ。
4K/240fpsは、誰に効くか
Pocket 3からの最大の進化はここだ。
4K解像度でフレームレート240fps。スローモーションで8倍遅く再生しても4K画質が保たれる。水しぶき、ペットの動き、子供の笑顔の決定的瞬間、スポーツシーン——「一瞬」を「尺」に変える機能だ。
ただし、現実的に240fpsを日常的に使う人間はほとんどいない。
家族の日常、旅行の記録、日常Vlogの大半は30fpsか60fpsで足りる。240fpsは「編集時にスローの山場を作りたい」という明確な意図がある人間の機能だ。
問いを変える。先月、スローモーション映像を何秒編集したか。
ゼロなら、この機能のために¥79,200を払う必要はない。
microSD廃止は誤報だった
発表前、パッケージリーク画像を元に「Pocket 4はmicroSDスロットを廃止し、内蔵107GBのみになる」という情報が流れていた。
公式発表で、これは誤りだと確定した。
Pocket 4は 内蔵107GB + microSD最大1TB対応 のハイブリッド構成だ。内蔵は高速書き込み(800MB/s)用、microSDは容量確保用として併存する。
つまりストレージに関してはPocket 3より純粋に有利になった。「microSD廃止が痛い」という買い控えの論拠は消えた。
これが噂と公式の差だ。——噂で判断しない、という原則がここでも効く。
スタンダード vs Creator Combo
価格差は¥20,680。この差額で何が増えるか。
Creator Combo 追加同梱物
- DJI Mic 3 トランスミッター ×1(充電ケーブル・マグネット・マグネティッククリップ・ウィンドスクリーン2種付き)
- Osmo ミニ三脚
- Osmo Pocket 4 補助ライト
- Osmo Pocket 3 広角レンズ
- Osmo Pocket 4 キャリーバッグ
この中で価値があるのは DJI Mic 3のトランスミッター一式 だ。
外部マイクを使わずに、カメラから離れた位置の声をクリアに拾える。YouTubeで自分の声を入れる、インタビューを撮る、風の強い屋外で喋る——これらの用途には必須級の機能だ。
Mic 3の送信機単体でもそれなりの価格がする。差額¥20,680でウィンドスクリーン2種まで一式揃うなら、音声を本気で撮る人間にはCreator Comboが正解だ。
補助ライト・広角レンズ・ミニ三脚への期待値
ここは冷静に評価したい。
補助ライト は、おそらくセルフィー撮影時に少し明るくなる程度の簡易的なライトだ。本格的なビデオライトではない。「いつ使うか」を自分で想像できなければ、価値はゼロに近い。
広角レンズ はPocket 3用と同じ品番が同梱される。広角で撮る用途が明確にあれば便利。なければ出番はない。
ミニ三脚・キャリーバッグ は小物として便利だが、サードパーティで¥2,000前後で揃う。
つまりCreator Comboの本体価値は、ほぼDJI Mic 3一式にある。マイクが要らないならスタンダードで十分だ。
Pocket 3という選択肢は、まだ生きている
DJIはPocket 4発表後もPocket 3を併売する。
現時点のPocket 3の実売価格(2026年4月時点):
| 区分 | 価格 |
|---|---|
| Pocket 3 新品(通常モデル) | ¥63,360 |
| Pocket 3 新品(Creator Combo) | ¥79,860 |
| Pocket 3 中古(美品・メルカリ等) | ¥50,000〜¥56,000 |
Pocket 3の通常モデル新品が¥63,360。Pocket 4スタンダードとの差額は¥15,840。
画質のベースは同じ、1インチセンサー、4K/120fps、物理ジンバル。家族の日常を撮る用途なら、Pocket 3で何一つ困らない。
中古で美品が出ていればさらに安い。出ていなければ新品でも¥63,360。Pocket 3は「型落ち」ではなく「現行の選択肢」として今も成立している。
ネガティブレビューへの答え
Pocket 4に対する批判の多くは「センサーが据え置きだから意味がない」という論調になるだろう。
事実として、センサーは変わっていない。画質のベースは上がっていない。
ただし「スペックの進化 = 画素数とセンサーサイズ」という前提そのものが古い。実用機としてのPocket 4の価値は、4K/240fps・14ストップDR・1000ニトOLED・OsmoAudio 4ch——撮影から編集までの全体を速く、確実にする方向に積み上がっている。
これを「意味がない」と感じる人間は、Pocket 3のままでいい。「これが欲しかった」と感じる人間は、Pocket 4を買えばいい。
どちらも正しい。
大事なのは、自分が何を撮るかを自分で決めていることだ。
わたくしの判定
YouTubeで声も撮る本気の人 → 買う
Creator Combo ¥99,880。DJI Mic 3のトランスミッター一式が入る。屋外Vlog、インタビュー、屋外解説——音声品質が映像品質と同じくらい重要な人間には、Mic 3が効く。補助ライトや広角レンズには期待するな。価値の本体はMic 3だ。
家族・旅行の記録メインで撮る人 → 買うな
Pocket 3で何一つ困らない。中古美品が¥50,000〜、新品通常モデルが¥63,360。DJIはPocket 4発表後もPocket 3を併売する。4K/240fpsを日常で使わないなら、差額¥15,840以上を払う意味がない。
Pocket 4が気になるが迷う人 → 待つ
初期ロットはファームウェアが安定していない可能性がある。Pocket 3の時も発売後1〜2ヶ月でファームアップが続いた。それと同時に、Pocket 3の中古相場はPocket 4発表で下落する。5月中旬まで待てば、判断材料は増え、価格は下がる。焦って発売日に買う理由はない。
Pocket 3を既に持っている人 → 買うな
センサーが同じ。画質のベースは変わらない。4K/240fps、14ストップDR、ActiveTrack 7.0——これらを明確に必要としていないなら、¥79,200を出す意味はない。今の機材で撮り続けろ。
本記事の価格・スペックは2026年4月16日時点のDJI公式情報(dji.com/jp/osmo-pocket-4/specs)に基づきます。Pocket 3の価格はAmazon等の実売価格で変動があります。